日本の電動工具メーカーはマキタとハイコーキが電動工具のシェアを締めていますがマキタに軍配が上がります。
そんな日立グループから独立してハイコーキブランドとして斬新な工具を発売していますが苦しいのが現状です。
そんな経営的に苦戦をしているハイコーキについて発売されている商品から将来を考察して見ました。
HiKOKハイコーキの現状
日立工機の近年の動向について知りたいんだけど。
2009年に日立製作所が日立工機の株式の50.1%を取得し、連結子会社にしました。これにより日立工機は日立グループの完全子会社となりました。
日立グループを離れたのはいつ?
日立グループは2016年に経営方針を変更し、日立工機を含む子会社の離脱を決定しました。
結果として、日立工機はアメリカの投資ファンドKKRによって買収され、グループから独立しました。
KKRによる買収はどのような方法だったの?
KKRはLBO(レバレッジド・バイアウト)という方法を使いました。これは、買収する企業の資産や将来のキャッシュフローを担保にして借入を行い、その資金で企業買収を行う手法です。
この結果、工機ホールディングスは負債を抱えることになりました。
現在の状況はどうなの?
在、工機ホールディングスの売上は伸び悩み、赤字が続いています。将来的な展開については不透明です。
ハイコーキが下請けに対して違反行為
公正取引委員会は、工機ホールディングス株式会社(以下「工機ホールディングス」という。)に対し調査を行ってきたところ、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)第4条第1項第5号(買いたたきの禁止)の規定に違反する行為が認められたので、本日、下請法第7条第2項の規定に基づき、同社に対し勧告を行った。
引用元 公正取引委員会 https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2023/mar/230327_kokiholdings.html
内容を簡単に要約すると
工機ホールディングスは、電動工具向けホースカバーセットの製造を下請けの個人事業主に委託していました。
ある日、原材料価格が上昇したため、個人事業主は工機ホールディングスに単価引上げを求めました。
しかし、工機ホールディングスは、単価を上げたくないと考え、単に区切りのよい金額を提示しただけでした。
その金額は、個人事業主が提示した金額の約半分しかなく、原価割れが解消されませんでした。
ハイコーキの経営が苦しい状態で下請けに対しての対応が社会問題にもなりました。
赤字経営×下請法で現状苦しい立場のようです。
ハイコーキに芸能人ヒロミさんでイメージアップ
そんな中ハイコーキのイメージキャラクターとしてヒロミさんを起用しました。
ヒロミさんはもともとDIYが得意でプロ並みの腕を持っていいます。
製品技術が斬新!マルチボルトが凄い
通常18V機や36V機などは専用のバッテリーを用い,それぞれ分けて使うのが一般的ですが
ハイコーキはバッテリーの規格を18V36Vを兼用で使え単純に予備のバッテリを少なく出来ます。
ですがハイコーキの場合は半分で済みます。
イメージしやすいよう写真で見てみます。
同じ容量のバッテリーは価格的に2万円ほどと高価で充電器と合わせると3万円近くになってしまいます。
能力は同じでコストを半分にし管理も楽になる、ハイコーキのマルチボルトバッテリーは
電動工具としては画期的なシステムです。
おそらくハイコーキのマルチボルトバッテリーは36Vで2.5A18Vで5.0Aになることからバッテリー内で並列接続で18Vにセルを配列し36Vでセルを直列にしていると思われます。
デメリットは
両方使えるマルチボルトは魅力的ですがマキタと比べて資金力の関係で絶対的に工具の種類が少ない事です。
もちろん主要な工具はありますが、マキタほど数はなく魅力は半減してしまいます。
私の場合はマキタとハイコーキ両方を使っていますので、両メーカーの良い部分をチョイスしていますが
管理はかなり大変です。
電動工具自体はマキタより抑えめ
やはりマキタに比べてハイコーキのユーザー比率は少なく、マキタからハイコーキへ乗り換えという選択は難しいようです。そのためセット品のインパクトでは5000円ほど安く
最近はやりのLEDのワークライトでは半分くらいの値段で買えてしまうので、それだけでも魅力で、一部ハイコーキ製品を使うユーザーもいるようです。
ただ開発資金はマキタに軍配が上がり、追い越すのは難しいでしょう。
ハイコーキ今後の独自の考察
マキタを追い越すのは到底現実的ではないですが、ハイコーキはもともと日立グループの技術力があります。
代表の製品としてバッテリー式の冷蔵庫は絶品でマキタにはない差別化ができており冷蔵庫はハイコーキという
くらい定評があります。
またマルチボルトバッテリーのような発想は現場で作業するものとしては歓迎されます。
今後の生き残りとしてはもともとハイコーキユーザーを減らさず
圧倒的なマキタにはない商品を出して、マキタユーザーでも、このハイコーキ商品はほしい!
と思わせるようなものがあれば生き残りは十分にあると思います。
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